そもそも「理学」って何?
理学とは、自然界に存在するさまざまなものや出来事について学ぶ「自然科学」の知識を深め、社会貢献などにつなげることを目的として研究を行う学問のことをいいます。 私たちが生きている地球、そしてその地球がある宇宙には、さまざまな自然や自然現象があります。それらがどうして成り立っているのか、どんな仕組みで発生しているのかなどの仕組みや成り立ちについて基礎的な研究を行うのが理学なのです。 理学の中には、すでにみなさんが学んでいる化学や物理、生物などが含まれます。また、数学も理学の一つで、地球科学や天文学も含めて「純粋科学(基礎科学)」と呼ばれます。一方で、医学や農学、工学といった学問も理学のジャンルに入りますが、これらは同じ自然科学系の分野でありながら「応用科学」と呼ばれています。
理学部では、具体的に何を学ぶの?
では、理学部では具体的にどのようなことを学ぶのでしょうか。 まず、1年次は数学や理科など理学の基礎といわれるものを幅広く身に付けていく場合が多いようです。後々の専門的な学習や研究に役立てるために、基礎知識をしっかりと学び、論理的に物事を考えられる思考を身に付けていきます。「理科は好きだけど、数学は苦手」という人もいるかもしれませんが、幅広く学んでおくことで、きっと好きな分野への理解力もアップするはずです。 そして2・3年次になると、物理学科や化学科、生物学科、地質学科、数学科などさまざまな分野に分かれ、さらに専門的に学んでいく場合が多いようです。実験や実習も多く、近隣にある研究機関に協力してもらい、実践に近い授業を行っている学校もあります。 他にも、理学部は学校によってさまざまな学科が設置されています。同じ学部や学科でも、大学によってカリキュラムや指導してくれる専門家に違いがありますので、理学系の進路選択について考えるときは、カリキュラムをよく見ておきましょう。また、大学に進学する場合は、卒業後、大学院に進んで研究を続ける学生も多いようです。大学院の様子も調べておくと、将来の学習イメージが湧くはずですよ。
理学を学ぶことで、どんな仕事を目指せるの?
では、理学部に入学し、理学について学んだ人は、実際にどのような仕事に就くのでしょうか。理学部は、理系にまつわる幅広い知識を身に付けられる学問ですので、卒業後の進路もさまざまなものが考えられます。 例えば、主な就職先として、化学・薬品工業、食品・化粧品製造業などの製造メーカーでモノの製造を行う職業や、製造メーカーで製品開発・研究などを行う「化学系研究・技術者」「理学研究員」、「バイオ技術者」などが挙げられます。大学や専門学校で学んだ自然科学に関する基礎知識や専門知識を基に、世の中を便利にする製品を開発・研究することができる職業です。また、理学部で学んだ知識は、「大学教授」や「講師」となって指導に役立てることもできます。 他にも、どの学科でどんなことを学んだかによって、就職先は変わってきます。数学科であればIT関連企業、物理学科であれば精密機械メーカー、化学科であれば製薬関連会社など、選択肢は複数あるでしょう。将来どんな仕事に就きたいのか考えた上で、理学にまつわる学科を選択してみましょう。
理学は、すでに皆さんが学んでいる理系の分野が含まれるため、学習のイメージがしやすいかと思います。高校生で理学の基礎を学んで、将来その知識を生かしてどんなことができるのか、どのように社会に貢献していけるのかを考えながら、ぜひ理学部を進路選択の一つとして考えてみてくださいね。
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